2025/09/08

2025年のお盆ウィークは、前半こそ雨風にたたられた日もありましたが、
後半の天気は晴れ先行で、行楽日和といえたと思います。
ただし海レジャーは天気だけでなく、風や波の条件も揃わなければなりません。
風に強いヨットはともかくとして、
20フィート程度のプレジャーボートは、白波が立つほどの海になると、
操船が極めて困難になります。
全長が短いので、船は木の葉のように揺れまくり、
ヘタをすると転覆する危険性も増してきます。
この週末の秋谷周辺の海況は決して良くはなく、
当保管艇の出船をお勧めできるレベルではありませんでした。
16日(土)10時過ぎに出船をご希望されるご利用者がお見えになりましたが、
この時の海況と今後の予報を鑑み、
スタッフの判断で出船を見合わせていただきました。
せっかく出船を楽しみにご来場いただきましたのに、申し訳ありませんでした。
今度は海のいい日に是非ご来場ください。お待ちしております。
秋谷船舶保管施設等では
保管艇の出船に関して、ある一定の目安(規則)を設けております。
まず気象情報での警報(津波警報・注意報、暴風、波浪、大雨、高潮など)が
発表されているときは出船NGです。
また風が強く、風速10メートルを超えた場合、クレーンの運行を取りやめます。
したがって出船はできません。
それ以外でも、ご利用者の体調や船に関する不安材料などが著しいと判断した場合は、
出船を見合わせていただく場合があります。
天気予報に関しては、
当施設では主にヤフーの天気予報を参考にしております。
他のサイトも閲覧しますが、総合的に判断の目安にします。
ヤフー天気ではトップページの右下の方にスクロールしていき、
「釣、潮汐情報」→「神奈川」→「油壷」に進んで
天気、風、気温、波、潮回り等をみて、当日や今後の参考にします。
次に天気図をみて、高気圧や低気圧、前線の位置や動き、
等圧線の入り具合などから海況の予想をします。
そして海上保安庁の「海の安全情報」というHPから第3管区の情報をみます。
劒埼灯台と伊豆大島灯台の風速を参考にします。
ほぼリアルタイムの情報がわかります。
矢印の向きで風向きが、色で風の強さが判断できます。
劒埼灯台で矢印が薄いオレンジ色だったらほぼ問題なしと判断し、
濃いオレンジ色の場合は要注意、赤表示だったらNGと判断します。
また伊豆大島灯台も赤表示の矢印はNGと判断することが多いのですが、こちらは相模湾の中でもより外海に近く、三浦半島とは異なる海況になることがあります。
過去の経験から、大島赤表示から1~2時間後に風波が強まってくる場合が多いですね。

30分に一回更新されます

動画でもチェックを
そして私たちが一番重要に考えているのが観天望気です。
私たちも天気の専門家ではないので、100パーセントに近い判断ができる訳でありませんが、何といっても現地の海の目の前にいて風波を感じているのですから。
まず雲の動きをチェック。
どんな雲がどちらの方角に、どれくらいのスピードで移動しているか。
そして雲の形と色。凸レンズを横から見たような形の雲や、下半分が異常に黒っぽい雲は要注意です。
雲の下では強風が吹いていることが多いです。
風上にこれらの雲があったら、風波が強くなる前兆と考えてください。

雲の形や色、動きをチェック
次に水平線。
双眼鏡があればベストですが、水平線が異常に波打っていたり、ギザギザして見えたら要注意です。
水平線近辺が黒っぽく見える場合も同じです。
その場所は荒れていると考えてください。
黒っぽい部分が広がってきたら、シケるのも時間の問題でしょう。
そして沖合に浮かぶ遊漁船。
これらの船が思い思いの方角に向いているときはいいのですが、一斉に同じ方角を向いたら要注意です。
船首の方から強い風が吹いていると予想できます。
気がついたら遊漁船たちがいなくなっていた、、、。
これはもうヤバいですね。即帰港です。
遊漁船の船長さんたちはそれぞれに連絡網を設けていて、
海況の変化も連絡されあっていると伺っています。
彼らは海が悪くなることを事前に察知して、
「海が悪くなる前に」お客さんたちを安全な場所へお連れされているのです。
当保管艇ご利用者からたまにこんなお言葉をいただいきますが。
「海が悪くなったら帰港するよ」
、、、それでは遅いんです。
いずれにしても、気象状況というのは
気圧配置だけでなく、季節や気温の上がり具合、潮汐状況などによって
大きく変化しますから、天気予報を100パーセント信じるのではなく、
参考、目安としてとらえ、観天望気などを含めて総合的に判断された方が安全でしょう。
参考の材料の一つとして、管理事務所に電話され、
現在の風、波、雲の動きなどをお聞きされるのもよろしいかと思います。
無事に帰港されてこそ、楽しい休日となります。